PNFは本来、主に脳血管障害や脳性麻痺などによる神経障害、筋力低下、協調性不全、関節可動域制限などの改善または、日常生活に必要な運動機能を獲得、向上させるための治療法として使われてきました。 現在では脳卒中、パーキンソン病、脊髄損傷や腰痛、関節症、スポーツ障害といった整形外科的疾患にも効果があります。



   普段私たちがしている運動は、まず脳から出た指令が脊髄→末梢神経→筋肉(下行路)と刺激が伝わり動きが発現されます。逆に外からの感覚は皮膚や関節などの感覚受容器(固有受容器)で受けた刺激が末梢神経→脊髄→脳(上行路)と伝わり、触った感覚や関節への体重のかかり具合などを感じることが出来ます。脳血管障害は脳が傷害されることで脳からの指令が出にくくなったり、外部からの感覚を感じにくくなるなどの麻痺症状を呈します。
  以前は脳の神経は一度傷害されると回復しないとされていましたが、近年の研究では回復の可能性が十分にあることがわかってきました。
  PNFでは、セラピストが触ったり運動に抵抗をかけるなどして適切な刺激を上行路に入れていきます(感覚入力)。それにより脳へ刺激が伝わり活性化させます。そして運動していただくことで失われた機能を回復していくことを促していきます。

   腰痛は椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、筋筋膜炎、骨粗しょう症などの様々な病態が二つ三つ合併して生じています。多くの場合、腹筋と背筋のバランスの悪さや骨盤周囲筋の“硬さ”により、腰の良姿位の保持や運動ができない状態になっています。
  その可動性や筋のバランスを整えるのにPNFでは、関節や筋肉についている感覚受容器に対する刺激、対角線運動、回旋(捻り)抵抗などを用います。それにより体の深部にあり腰部の安定性に寄与する筋肉(腹横筋や多裂筋など)を刺激することができます。

   膝痛では、根本の原因は元来の歩き方、加齢や生活習慣など様々あります。そしてその結果生じた痛みにより、それをかばう歩き方や動作を繰り返し、それが更に筋力低下などの2次的な障害を引き起こし本来の体の使い方をも忘れさせてしまうことがあります。
  PNFではまずそのように使い方を“忘れてしまったパーツ”(筋肉)に回旋抵抗や筋肉へ伸張刺激(ストレッチ)などを使い、刺激を入れていきます。そして今度はそれらの刺激されたパーツを組み合わせていくために実際の動き(歩行や階段昇降など)に対しても抵抗などで関節や筋肉へ刺激を入れながら、より正常で痛みのない動作へと誘導していきます。

   スポーツは競技であるが故、本来備わっている能力以上のものを過剰に発揮しなければならないことがあり、障害を負うことが多くなってしまいます。そのためベースとなる筋力の向上や普段の練習などでは意識できていない筋肉などを意識させたりすることがケガの予防やパフォーマンスの向上に繋がってきます。
  人間は自分ひとりでは持っている能力の40%程度の力しか発揮できないといわれています。PNFではマンツーマンで対角線運動や回旋(捻り)抵抗、関節刺激などを使うことで、より多くの筋肉を刺激することが出来ます。その結果多くの潜在している能力を引き出し、パフォーマンス向上や障害予防にも役立てられます。



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